めっき厚測定から試験成績書作成を自動化し、信頼性の向上を実現

会社紹介

株式会社山王は神奈川県横浜市でコネクタやスイッチ用の電子部品を作っています。

金属の精密プレス加工からめっきまでの全工程を一貫で行うのが特徴で、株式会社山王で作られた部品は、スマートフォンや自動車など、さまざまな場所に使われています。

山王ではMekki-NoteとPress-Noteを導入しました。Mekki-Noteは蛍光X線膜厚計でめっき厚を測定し、検査結果を自動で記録するシステムです。さらにそのデータから試験成績書を自動で作成し、発行します。Press-noteは、三次元測定器と連携し、プレス加工製品の検査データを自動入力し、成績書やXbar-R管理図などの出力を行うことができるシステムです。

今回インタビューを引き受けてくださった〇〇様

サービスの導入効果

2つのシステムを導入を導入したことにより、測定結果を手書きでメモする手間、手書きの数値を従来のシステムに入力する手間、さらに試験成績書を作成する手間の全てが省略されました。また自動化により、作業員が数値を手書きしたり、手書きの文字を読んで入力するなどの「人を介した作業」がなくなり、数値の入力ミスや改ざんなどの可能性もなくなりました。 山王では、月に1万枚ほどの試験成績書を発行していますが、この発行にかかる手間が大幅に削減されたことに加え、試験データの信頼性の向上にもつながったのです。

Mekki-Noteの施策内容

コネクタの役割は、最表層で相手側と接触し、通電することです。通電品質を守るため、コネクタ部には酸化物が付着しにくいこと、異物が付着しても取り除きやすいことなどが求められます。これらの要求を満たすため、コネクタ部には金などのめっきが施されます。めっきが十分に機能を発揮するために、めっきには一定範囲の厚さが求められます

このめっきの品質を保証するものが試験成績書です。試験成績書には、めっきが施された部品の、どの場所でめっき厚を測定したかと、それぞれの部位のめっき膜厚が記載されます。

通常、試験成績書は、部品の納入時に品質を保証するものとして納品先に提出される他、品質管理書類として社内に保管されます。 Mekki-Noteは、この膜厚測定と試験成績書の作成を自動で行うシステムです。山王でも、製造された部品の膜厚を測定し、データを記録。さらにそこから試験成績書を作成する目的で導入されました。

Press-Noteの施策内容

プレス加工は、金型を用いて金属板を圧力によって塑性変形させて製品を製造する加工方法です。製品の複雑化・高精度化に伴い、プレス加工における品質管理の重要性が高まっています。高品質な製品を安定的に製造するためには、製品寸法の精緻な測定・管理が不可欠になり三次元測定機による測定が必要です。

Press-Noteは、三次元測定機と連携し、プレス加工製品の寸法のデータ入力と試験成績書の生成を自動で行うシステムです。山王では、自社の基幹システムとPress-Noteを連携させることで、検査データに基づいた分析や品質管理体制の強化をしております。

導入前の課題

山王がMekki-Noteを導入するきっかけになったのは、他社がめっき厚のデータを改ざんしていた事件でした。自社で同じようなことが起きないよう、社内のワークフローを見直したのです。その結果、改ざんを行い得る工程や、データの入力ミスが発生する工程、つまり人の手で行っている工程をなくすことにしました。 山王では従来、めっき厚の測定結果は所定の用紙に手書きで記入していました。そしてそれを手作業でデータベースに入力していたのです。手書き文字を介した人の作業では、悪意がなかったとしてもデータの誤入力が発生する可能性があります。それだけではなく、手書きでの記録や、それを読みながらの入力という手間により、多くの時間がかかっていました。

候補サービス

めっき厚の測定データを自動で試験成績書にできるサービス自体、多くはありませんでした。また、仕組みや自動化の目的が、うまく噛み合わない部分もありました。山王が特に注視していたのは、測定データを製品ごとのマスタで管理できることと、ただ作業を自動化するだけでなく、測定し、収集されたデータをさらに活かす方法があるか否かでした。

比較基準

SAYコンピュータのMekki-Noteを導入する決め手となったのは、マスタの制作や自動化後のデータの活用について、一緒に話し合い、検討できる仕組みがあったことです。

たとえばマスタについても、山王で扱う部品は4500種ほどもあります。そのため、それぞれにフィットするマスタを作らなければいけません。また類測定した膜厚が規格に対してNGだった際には、その部品を不良品として識別できることも必要でした。

山王で求めているそのような内容を把握し、それを製品に正しく反映させてもらえるのがMekki-Noteだったのです。

導入後の現場の反応

現場に導入した際は、はやり新しいシステムであるため、受け入れてもらうまでに多少の時間を要しました。とはいえシステムの必要性やメリットを説き、実際に使ってもらうことで、すぐにMekki-Noteの効果を実感し、受け入れてもらえました。

現在現場では、システムを使うのが当たり前になっています。また膜厚測定にかかる手間が少なくなっただけでなく、測定結果の記入や入力の際のデータ確認も不要になり、業務の効率化につながりました。

Mekki-Noteの導入により業務改善の効果が認められたため、精密板金を管理するためのPress-Noteの導入にも着手しました。

特に気に入っている機能やサービス

山王ではMekki-Noteの強みをさらに活かすために、膜厚測定結果のデータから傾向管理を実施しています。傾向管理は元々、自動車関係の顧客から要求されてはいたものの、従来の手入力ではデータを整理するだけで工数をとられてしまい、傾向管理のグラフを作るまでが精一杯でした。

しかしMekki-Noteを導入したことにより、膜厚が傾向として上昇傾向な場合にはアラートメールを発信させるなど、予兆管理の構築にもつなげられるようになりました。 また、社内で持っている製品マスターなどの情報がある基幹システムと、現場のシステムの情報連携は、長年の課題となっていました。Press-NoteではMekki-Noteで実地できる内容に加え、社内の基幹システムとの連携を実現しました。基幹システムの最新情報が自動反映されるため、二重作業が解消されました。

Mekki-Noteの実際の画面

先輩ユーザーからのアドバイス

従来あった作業をただ自動化したり、その結果を見えるところに表示するだけでは、本来のDXではありません。DXを実施するのであれば、データをどのように活用し、それを自分たちの製品に反映させるところまで行う必要があるのです。

そのため、このようなシステムを導入する際には、データの活用方法についても相談できる提供会社を選ぶ必要があります。

自分たちの要望を正しくとらえ、それを製品システムに的確に反映させてくれるパートナーが必要なのです。

まとめ

一般に、機械部品や製品は、コネクタのような部品を含む、非常に多くの部品から成り立っています。最終製品としてユーザーの手に渡った際、その中の部品の一つでも不良品があれば、製品の品質は下がってしまいます。つまり品質とは、高い品質をもつ部品の集まりでもあるのです。山王は、ユーザーに「いい製品」と思ってもらえるものづくりを、これからも支えていきます。